ChatGPTはFPの代わりになるか?人生相談の結果をFP視点で解説

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tadanori
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ChatGPTは、ファイナンシャル・プランナーへの相談の代わりになるでしょうか。

とりあえず、相談のシミュレーションをしてみることにしました。この記事では、ChatGPTに相談をした結果を紹介します。

ChatGPTは、FP相談の代わりに使えるか

世の中では、生成AIと呼ばれるAIが人気です。いろいろな仕事がとって変わられるなどといわれていますが、実際、どの程度のことができるのでしょうか。

この記事では、ファイナンシャル・プランナー兼IT技術者が、ChatGPTを使ってFP相談を試みた結果を紹介します。

相談者のプロフィール(仮)

まず、相談者のプロフィールを設定しました。細かく設定してもよいですが、必要最低限の設定だけ行い、あとは会話の中でアドリブで作っていくことにしました。

プロフィール

  • Aさん 32歳 会社員
  • 妻 30歳 公務員
  • 年収
    • Aさん 450万円
    • 妻 300万円
  • 住宅ローン 月12万円(残り33年)
  • 預貯金 600万円
  • 妊娠中

Aさんは、32歳の会社員で、共働きです。二人合わせて年収が750万円と、それなりの収入がある家庭になります。また、2年前に住宅を購入しており、毎月12万円の住宅ローンの支払いをしています。妻は現在妊娠中です。

このAさんの相談内容は以下になります。

相談内容

もうすぐ妻が出産する。妻は出産後は小学校に行くまで育児に専念する予定である。教育資金と、住宅ローン返済について不安があるので相談したい

相談内容を簡潔に書くと、

妻が出産のために休業する。子供の教育資金と住宅ローン返済が大丈夫か心配

というものです。

ChatGPTはこの相談にどのように答えるでしょうか

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ChatGPTに相談してみる

スクリプト

ChatGPTに期待する応答をさせるには、スクリプトが重要です。今回は、FPとして相談に乗ってもらいたいので、以下のようなスクリプトを考えました。

ChatGPTへの最初のスクリプト

私は相談者、あなたは優秀なファイナンシャル・プランナーです。 いまから、相談をしたいと思いますので、日本のファインナンシャル・プランナーとして会話してください。 相談内容の概要は以下になります。

「もうすぐ妻が出産する。妻は出産後は小学校に行くまで育児に専念する予定である。教育資金と、住宅ローン返済について不安があるので相談したい」

それでは、そちらから会話を始めてください。

ChatGPT: もちろん、ご相談をお受けいたします。お子様の誕生と将来に向けた教育資金、住宅ローン返済についてお悩みのようですね。まず、お子様の教育資金について詳しくお話ししましょう。お子様の将来の教育について、どの程度の費用を見込んでいるのでしょうか?また、教育に対する具体的な希望や目標がありますか?

それから、住宅ローン返済についても詳細を教えていただけますか?現在の住宅ローンの金額や金利、返済期間、お住まいの地域などの情報が必要です。現在の収入、貯蓄、支出についてもお話しいただけると、より具体的なアドバイスができるかと思います。

これらの情報をもとに、ご家庭の財務状況を評価し、適切なファイナンシャルプランを一緒に考えていきましょう。また、税金や保険についても検討が必要かもしれません。どのような情報をお持ちでしょうか?

相談者:教育にはどの程度の費用が必要でしょうか? 希望や目標は具体的になにを言えばいでしょうか? 住宅ローンは月12万円で残り33年です。 収入は私が手取り450万円で妻が300万円です。貯蓄は600万円あります。

ChatGPT: 教育費用については、具体的な金額は地域や学校によって異なりますが、小学校から大学までの教育において、将来的に数百万円から数百万円以上が必要になることが一般的です。具体的な目標を設定するために、お子様の将来の進学先や希望する学校、教育方針などを考慮して、おおよその教育費用を見積もることが重要です。

住宅ローンについて、月々の返済額と残りの期間が明確ですね。収入と支出についてもお伝えいただき、貯蓄もあることから、安定した財務状況を持っているようです。しかし、お子様の教育費用や将来の生活費を考えると、資産運用や貯蓄の見直しを検討することが重要です。

まず、教育資金について、将来の教育費用を詳細に見積もり、それに備えた資産運用プランを検討することが必要です。また、住宅ローンの返済についても、将来のライフイベントを考慮し、支出のバランスを見直すことが大切です。

お子様の教育資金と住宅ローンの返済を同時に考慮したファイナンシャルプランを作成し、将来の目標に向けて段階的に行動することをお勧めします。また、税金や保険についても確認し、適切な対策を検討することが重要です。

相談者:妻の方が、出産後に休業する予定ですが、住宅ローン返済は大丈夫でしょうか?

ChatGPT: 妻が出産後に休業する場合、家計への影響を考慮することが重要です。住宅ローンの月々の返済額が月12万円で、現在の収入がお子様が生まれる前と同じであると仮定します。その場合、妻の収入が一時的に減少することになります。

以下はいくつかの考慮事項です:

  1. 予備費用: 妻の休業中に備え、家計に予備費用を設けておくことが重要です。これにより、急な支出や収入の変動に対処できます。
  2. 住宅ローン支払い: 月々の住宅ローン返済を続けるために、現在の収入でカバーできるかどうかを確認しましょう。万が一収入が不足した場合、ローンの一時的な支払い猶予やローンリフィナンスなどの選択肢が考えられます。
  3. 支出の見直し: 予算を見直し、必要な支出と希望の支出を明確にしましょう。必要ならば一時的に節約策を導入することで、経済的な余裕を確保できるかもしれません。
  4. 保険: 万が一の状況に備えて、家計保険や所得保障保険などの保険を検討することも重要です。
  5. ファイナンシャルプラン: 妻の休業期間や復職後の収入状況を考慮して、ファイナンシャルプランを立てることが役立ちます。将来の支出や目標に合わせて、適切な貯蓄や投資戦略を検討しましょう。

最終的には、具体的な収入、支出、ローンの条件、そして将来の目標に基づいて、適切なファイナンシャルプランを策定することが大切です。ファイナンシャルプランナーや金融アドバイザーの協力もお役立ていただけるかと思います。

ChatGPTの回答で満足できましたか? 

以下、私の主観で内容をチェックしていきたいと思います。

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ChatGPTの受け答えを評価してみる

以下の冒頭の部分ですが、まず、質問が長すぎです。

また、年齢や家族構成などの重要な項目の質問が漏れています

ChatGPT: もちろん、ご相談をお受けいたします。お子様の誕生と将来に向けた教育資金、住宅ローン返済についてお悩みのようですね。まず、お子様の教育資金について詳しくお話ししましょう。お子様の将来の教育について、どの程度の費用を見込んでいるのでしょうか?また、教育に対する具体的な希望や目標がありますか?

それから、住宅ローン返済についても詳細を教えていただけますか?現在の住宅ローンの金額や金利、返済期間、お住まいの地域などの情報が必要です。現在の収入、貯蓄、支出についてもお話しいただけると、より具体的なアドバイスができるかと思います。

これらの情報をもとに、ご家庭の財務状況を評価し、適切なファイナンシャルプランを一緒に考えていきましょう。また、税金や保険についても検討が必要かもしれません。どのような情報をお持ちでしょうか?

仮に私がFPとして質問するなら、以下のように分けて質問します。

ある
ある

失礼ですが、年齢はおいくつでしょうか? 奥様の年齢もよろしければお願いします

ある
ある

他にお子様はいらしゃるでしょうか?

ある
ある

年収はいくらくらいでしょうか? 奥様も働いているならそちらの年収も教えてください。差し支えなければ職業もお願いします。

1つ1つ確認しながら聞いていく感じです。

この方が、相談者も答えやすいと思います。

もう少しなんとかならないかと、スクリプトをいろいろいじってみましたが、1つ1つ質問しながら進めるようにはなりませんでした。

最初だけ、1項目だけ聞いても、すぐにその回答をしようとしてしまいます。

あと、最後の

「これらの情報をもとに、ご家庭の財務状況を評価し、適切なファイナンシャルプランを一緒に考えていきましょう。また、税金や保険についても検討が必要かもしれません。どのような情報をお持ちでしょうか?」

は、今回の相談内容でいきなり税金について聞いている意味がわかりません

住宅ローン控除のことかもしれませんが、具体的ではないのでわからないですね。

相談では、まず必要な情報を1つ1つ丁寧に聞くことが大切ですが、ChatGPTは急ぎ過ぎな感じです。

この続きも見ていきます。

ChatGPT: 教育費用については、具体的な金額は地域や学校によって異なりますが、小学校から大学までの教育において、将来的に数百万円から数百万円以上が必要になることが一般的です。具体的な目標を設定するために、お子様の将来の進学先や希望する学校、教育方針などを考慮して、おおよその教育費用を見積もることが重要です。

住宅ローンについて、月々の返済額と残りの期間が明確ですね。収入と支出についてもお伝えいただき、貯蓄もあることから、安定した財務状況を持っているようです。しかし、お子様の教育費用や将来の生活費を考えると、資産運用や貯蓄の見直しを検討することが重要です。

まず、教育資金について、将来の教育費用を詳細に見積もり、それに備えた資産運用プランを検討することが必要です。また、住宅ローンの返済についても、将来のライフイベントを考慮し、支出のバランスを見直すことが大切です。

お子様の教育資金と住宅ローンの返済を同時に考慮したファイナンシャルプランを作成し、将来の目標に向けて段階的に行動することをお勧めします。また、税金や保険についても確認し、適切な対策を検討することが重要です。

なんか全然ダメダメな気がします。

教育費は「公立」と「私立」で費用も大きく違うこと、数字も「数百万から数百万円位以上」ではなく、もうすこし具体的な数値を出しても良いかと思います。

FPなら手持ちの資料を見せながら説明するかもしれません。

住宅ローンに関しては、聞いた情報から「月12万円ということは年144万円ですね」といったように整理してあげたら良いかと思います。

また、「妻は出産後は小学校に行くまで育児に専念する予定である」と相談内容に書かれているので、妻の収入300万円はなくなる可能性があるので、そこについては少し掘り下げて聞いてみるべきです。

例えば、「休業中は育児に専念するのか。パートなどをする予定なのか?」など聞くべきだと思います。

ChatGPTは、育児休業する予定という部分を忘れてしまっているかのような回答になっています

なので、相談者から休業の旨を再度話してみました。

すると、適当な感じの回答が来て、まとめに入ってしましました。

また、最後の回答は、一般論で、相談者に向き合った個別の回答になってない気がします

この部分は、私から見ると、これは、全然ダメです。

また、個別相談では、相談者の話を聞くのがメインです。おおよそ「7割が聞く、3割が話すくらいが良いと思っています。

しかしながら、ChatGPTは一方的に情報を提供してきて相談者の話を聞く感じではありません

一方的に情報提供してくるのがChatGPTの欠点かなと思いました

スクリプトでChatGPTの役割は「あなたは優秀なファイナンシャル・プランナー」と指示しているにもかかわらずです。

役割に応じた会話をするのは、ChatGPTにはまだ難しいのかもしれません。

現状はFPの代わりにならない

発展途上の技術なので、今後どうなるかわかりませんが、今のレベルではファイナンシャル・プランナーへの相談の代わりにはならないというのが印象です。

これ以外にも色々なパターンでやってみましたが、一気に質問してくる癖と、一方的に話す癖は治らないです。

もしかしたら、数年で一気に進化するかもしれません。ただ、なんとなくですがFP相談みたいな人と向き合う仕事は難しいかもと感じました。

補足

ChatGPTがこちらの思惑通りに動いてくれるかはプロンプト次第なところはあります。以下のように変更すると出だしは少しだけまともになりますが、途中から一方的に話し出します。どうも、「聞く」というのは苦手そうです。

ChatGPTへの最初のスクリプト

私は相談者、あなたは優秀なファイナンシャル・プランナーです。 いまから、相談をしたいと思いますので、日本のファインナンシャル・プランナーとして会話してください。 相談内容の概要は以下になります。

「もうすぐ妻が出産する。妻は出産後は小学校に行くまで育児に専念する予定である。教育資金と、住宅ローン返済について不安があるので相談したい」

なお、会話は以下のようなポイントを守ってください

  • 質問は1回に1つとする
  • なるべく短めの回答とする
  • 都度、相手の理解を確認する

それでは、そちらから会話を始めてください。

まとめ

実は、もう少しいい結果を期待していましたが、思ったよりダメダメでした。

実は「おしいところまで来ている」という感想を書きたかったんですが、想像より残念な結果です。

ただ、将来はどうなるかわからないので、技術の発展に期待です。

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ABOUT ME
ある/Aru
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ファイナンシャル・プランナー(CFP®)/ 博士(情報工学)
2023年5月に54歳で早期退職。自分の時間ができたのでブログを開設。本職はITエンジニア(専門はデータ分析・機械学習)だが、ファイナンシャル・プランナー(CFP®)資格も保有し活動中。投資歴は20年以上。
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