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退職所得控除が見直しされた場合の税額の試算(仮)。iDeCoへの影響は?

tadanori
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確定拠出年金(企業型DC、iDeCo)と退職金所得控除は関係があるというのをご存知ですか?

退職金所得控除の改正が検討されていますが、これが確定拠出年金(企業型DC, iDeCo)にも影響してくる可能性があります。

この記事では、可能性が高そうな20年超えの控除額が減る改正が行われた場合の退職金への影響を試算してみました。

この記事は以下のような方におすすめです
  • 退職所得控除の計算を知りたい
  • 退職所得控除が見直された場合の影響を知りたい
  • 退職所得控除とiDeCoの関係を知りたい

退職金の税金計算の方法

退職金とは?

退職金には、かなりの優遇措置が設けられていることをご存知でしょうか?

退職金とは、勤務先から退職に際して支給される金額のことを指します。

私自身が勤めていた勤務先では確定拠出年金として退職金相当額が前払いされていました。

そのため、通常の退職金はゼロ(0)です。

ただ、早期退職の場合には早期退職の割り増しがありました。

この割増分を含めて、退職時に一括で受け取る一時金退職金と呼ばれるものになります。

ある
ある

退職金がなくなって、企業型確定拠出年金(企業型DC)で支給する会社も増えているようです。退職金を企業型DCで前払いしている形です。

退職所得の計算方法

税金を計算する場合、まずは退職所得を計算することになります

退職所得は、退所金の額から以下の計算方法により求めることができます。

退職所得=(退職金ー退職所得控除)÷2

退職後の生活資金を確保するために、退職所得には税制面での優遇措置が設けられています

ある
ある

退職後に収入が無くなる(or 減る)のに、普通に所得税をかけるのは相応しくないという判断だと思います。

これにより、所得税額をなるべく低く抑えることができます。

具体的には、以下の3つにより支払う税金が少なくなります。

  1. 退職所得控除:退職所得には特別な控除が適用されます。これにより、一定の金額を税金から免除することができ、税額が軽減されます。
  2. 所得の1/2計算:一部の場合、退職所得の計算において、受け取った退職所得の1/2の金額を使用します。これにより、実際の収入よりも税金の計算額が低くなり、税負担が軽減されます。
  3. 分離課税:退職所得は、他の所得とは独立して計算されるため、年間の総合所得ではなく、分離された課税対象として計算されます。このため、他の所得と合算することなく、退職所得のみを考慮して税額が計算され、税金の負担が軽減されます。
ある
ある

退職金独自の控除と、所得を1/2で計算すること、他の所得とは別に税率を計算することで、かなり支払う税金が減ります

他の所得とは別に計算というのも実は大きいですよね

ある
ある

はい。私の場合、5月に退職したので1月〜5月の給与所得があります。これに退職所得を含めて計算すると、税率が上がってしまうので、別に計算されるのはかなり有利です。

このように、退職金は税制上の優遇を受けることができます

退職所得控除の計算

退職所得控除は、勤続年数の長さに応じて金額を控除するもので、最初の20年は40万20年を超える部分は70万となります。

計算式は、原則的には以下になります

勤続年数が20年以下の場合

退職所得控除 = 40万円 × 勤続年数

勤続年数が20年を超える場合

退職所得控除 = 40万円 × 20年 + 70万円 × (勤続年数-20年)

退職所得が計算できたら、あとは国税庁の速算表に従って税額を計算できます。

ある
ある

速算表は、ここをクリック

私の場合は、確定拠出年金として退職金相当が前払いされていたため、退職金控除の対象となるのは早期退職の割増分だけでした。

勤続年数30年2ヶ月(切り上げで31年)だと、控除額は1,570万円となり、退職金控除の恩恵がかなりありました。

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退職所得控除の見直しについて

退職時に非常にありがたい退職所得控除ですが、最近、見直しの話題が浮上しています。

理由は「勤続年数が20年を超えると控除額が増加することが、転職を阻害している可能性がある」というものです。

ある
ある

個人的には、知らない人の方が多いと思うんですが、政府はそう思っているみたいです。

現時点では、具体的に法改正の内容は未定ですが、見直しはおそらく行われ、増税方向になると思われます。

おそらく、現在の70万円から40万円に削減されるのではないかと考えています。

20年未満の部分を70万円にするというパターンも考えられないことはないのですが、減税方向に改正されるとは考えづらいのが現実です。

ある
ある

早期退職したので、退職所得控除の見直しからは逃げ切れました

今回、恩恵をかなり感じたので改正されると辛いですね

ただし、退職時期を税制の変更に合わせて無理に決めるのはおすすめできません

自身のライフプランを総合的に検討し、将来のために賢明な選択をすることが大切です。

退職所得控除は一つの要素に過ぎません。

将来の幸福と安定を追求するために、慎重に計画しましょう。

ある
ある

早期退職や転職は、思いつきでやると失敗しやすいです

ちなみに、勤続年数30年、退職金1500万円なら現在の税制だと税金はゼロです。

もし控除が一律40万円になったとしたら、$ (1500万円 – 30*40)/2 = (1500-1200)/2 = 150万円 $となって、退職所得は150万になります。

速算表で計算すると、76,575円の所得税が発生することになります。合わせて、住民税が15万円なので、合計で約22万が税金として引かれることになります。

一律40万円に改正された場合の影響

勤続年数30年、退職金1500万円の場合

 現状: 税額はゼロ(0
 改正後:税額は約22万

退職所得控除が見直しのインパクトは小さくありません

確定拠出年金(企業型DC、iDeCo)への影響

退職所得控除は、確定拠出年金(iDeCoや企業型DCなど)にも影響を及ぼす可能性があることをご存知でしょうか?

ある
ある

退職所得控除のiDeCoの関係を知っている人は少ないと想像しています

確定拠出年金は、一時金年金方式のどちらかで受け取ることができます。

一時金で受け取る場合、所得税の計算には退職所得控除の計算方法が適用されています。

つまり、一時金で受け取る場合、退職所得控除の影響を受けることになります。

もし、退職所得控除が増税方向で見直されると、確定拠出年金を一時金で受け取る場合の税額も増額される可能性があります

ある
ある

もし、確定拠出年金の計算と退職所得控除の計算を分けて改正されなければ、iDeCoに影響がでます。

iDeCoの出口戦略を見直す必要がでますね

最新情報をチェックしましょう

退職所得控除の話が、iDeCoの受け取りに関係すること、わかりましたでしょうか。

このように、関係ないと思っていた改正が、思わぬところに波及する可能性があります。

税制の改正などには、興味を持ってチェックすることが必要かもしれません。

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ある/Aru
ある/Aru
ファイナンシャル・プランナー(CFP®)/ 博士(情報工学)
2023年5月に54歳で早期退職。自分の時間ができたのでブログを開設。本職はITエンジニア(専門はデータ分析・機械学習)だが、ファイナンシャル・プランナー(CFP®)資格も保有し活動中。投資歴は20年以上。
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