退職して安定収入がなくても作れる。デビットカードのメリットとデメリット
- 退職したら「クレジットカードが作れなくなるのでは?」と不安になった
- 選択肢としてデビットカードがあることに気づいた
- 私がおすすめするデビットカードを紹介
定職についていないとクレジットカードの審査に落ちやすいという話はよく聞かれます。しかし、定職についていなくても年金などの定期収入があれば審査に通りやすかったりします。
年金は定期収入として認められることが多いようです
結局、定職についているかどうかではなく、「定期収入(安定した収入)があるかどうか」が重要なわけです。
なので、定期収入がない場合は、クレジットカードを作るのは難しくなります。なぜなら、安定した収入があることがクレジットカード会社にとっての返済の信頼性を示す重要な要素になるからです。
例えば、分割払いで支払いする場合を考えてみます。定期収入がある場合、ある時点で支払えるだけのお金がなくても、毎月一定の収入が見込めれば次の月は返済できます。
一方、定期収入がない場合は、ある時点で支払えるお金を持っていなければ、将来も支払うことができません。
また、もし、安定した収入がなくて支払うだけの十分なお金を持っているのであれば、一括で支払う方が利息分得ですから払ってしまった方が良いです(今後の収入がない場合は、手持ちのお金で払うわけで、先延ばしにして利子を払うくらいなら、払ってしまった方がプラス)。
このように、クレジットカードの分割返済は、定期収入による後払いが前提となっている仕組みと言えます。
つまり、定期収入があることで、買いたい時に手持ちがなくても、後払いで購入することができる仕組みです。収入が不安定な場合は、後払いしてもらえるかどうかわかりません。クレジットカード会社としても、将来返済が可能かどうかわからない人にカードは発行しないとなってしまうでしょう。
ということで、安定した収入がないとクレジットカードを作るのは難しいです。
と言っても、ネットショッピングなどもカード決済が主流ですし、サービスを利用するのにクレジットカードが使えないと不便です。ショッピングに使えるカードは欲しいです。
カードを入手する手段としては、退職前にクレジットカードを作っておくとか、審査が通りやすいカード会社を選んでカードを作るなどの方法もありますが、デビットカードを作るというのも選択肢の1つです。
デビットカードって何?
デビットカードは、クレジットカードと同様に利用できるカードです。VISAやMastercard, JCBといった国際ブランドがついているので、クレジットカードと同じように加盟店で使うことができます。
デビットカードは、利用すると即座に口座から引き落としが行われます。このため、分割払いを行うことはできません。ただ、審査なしで作成することができます。
早期リタイヤや資産運用で生活をする場合、デビットカードは便利な選択肢となるでしょう。資産運用により得た利益を銀行口座に受け取り、デビットカードを通じて支出することで、自身の資産の範囲でカード支払いが可能なります。
デビットカードのメリット
審査がいらない
クレジットカードと違って、申し込みの際に審査がありません。
銀行口座から直接引き落とされるので「支払い能力があるか」を審査する必要がないからです。
使いすぎを防ぐことができる
即時に使った金額が引き落とされるため、口座残高以上の買い物はできないこともメリットです。自分で1回の限度額、1日の限度額、1ヶ月の限度額などを指定できるデビットカードもあり、設定しておけば使いすぎを防ぐことができます。資産運用をしていて、定期に切り崩して生活する場合などには向いているかもしれません。
デビットカードのデメリット
分割払い・キャッシングができない
この2つがよくデメリットとして言われますが、定期収入がない場合は、現在の所持金より高いものは買わない方が良いですし、分割したら利息分損なので、分割払ができないデメリットは私は感じません。また、銀行口座のお金ですからキャッシングというのも変な感じです。これは特にデメリットではないと思います。
資産を取り崩して生活している場合には、これはそこまでデメリットではないかも
不正利用の補償額がクレジットカードに劣る
これはデメリットです。自衛策としては、限度額を細かく設定しておくこと、デビットカードの口座の残高は少なめにしてくことくらいでしょうか。
補償額が少ない点には、自己防衛で対応
一部使えないシーンがある
デビットカードによって異なりますが、ガソリンスタンドの支払い、高速道路(ETC)、公共料金の支払いなどで使えないことがあります。セルフのガソリンスタンドの例がわかりやすいですが、カードを通した段階ではガソリンを入れる前なので、幾ら支払うかわかりません。この手のサービスは使えないことがあります。傾向としては、カードを使った時点で支払いが確定しないもの、定期支払いなものにNGなケースが多いようです。
各社により対応が異なります。楽天銀行デビットカードは、公共料金への支払いが可能です
デビットカード紹介
運用している資産を取り崩して生活費にするというパターンで考えると、証券口座と紐付けやすい銀行のデビットカードが選択肢に入ります。私の場合は、SBI証券と楽天証券を使っているので、作るなら住信SBIネット銀行と楽天銀行のデビットカードになります。ここでは、この2つの銀行のデビットカードについて紹介します。
住信SBIネット銀行のデビットカード
私が現在利用しているデビットカードになります。
個人的には、年会費が必要なやつは却下なので、プラチナデビットカードは選択肢に入らなかったです。あとは、MastercardとVisaカードのどちらかのブランドにするかですが、Apple Payを使うのならMastercardの方になります。ポイント還元もそちらの方が良いです。
住信SBIネット銀行の場合、デビットカードの限度額を、1回、1日、1ヶ月で個別に設定できます(アプリから簡単に設定できます)。
プラチナデビットカード(Mastercard) | デビットカード(Mastercard) | デビットカード(Visa) | |
Apple Pay対応 | ○ | ○ | × |
旅行保険等 | ○ | ー(盗難保証あり) | ー(盗難保証あり) |
ポイント還元 | 1.0% | 0.8% | 0.6% |
年会費 | 11,000円 | 無料 | 無料 |
住信SBIネット銀行のデビットカードは、1回、1日、1ヶ月の限度額をそれぞれ設定できます。
ちなみに、新デザインのカードはナンバーレスカードとなっています(下図)。
カード番号や有効期限はスマホアプリで見る形になっています(PCやブラウザでの確認できないので注意)。ナンバーレス、かっこいいですし、セキュリティ面でも良いのでしょうが、番号が見えないのは面倒といえば面倒です。
Visaで作ってしまって、Apple PayのためにMastercardに切り替えるか思案中です(申し込んだ時、この制限知りませんでした)。
楽天銀行のデビットカード
Visaカードには、ゴールドとシルバーがありますが年会費がかかります。楽天銀行はVisa, Mastercard, JCBの3つから選択することができます。基本的にポイントなどに違いはありませんので、好きなブランドを選べば良いかと思います。
楽天銀行の場合、デビットカードの一日あたりの限度額を1000円単位で設定できます。
ちなみに、JCBだとデザインカードが選べます(下図)。
ゴールドデビットカード(Visa) | シルバーデビットカード(Visa) | デビットカード(Visa) | |
Apple Pay対応 | ー(記載なし) | ー(記載なし) | ー(記載なし) |
旅行保険等 | 国内・海外旅行障害保険、ショッピング保険、盗難保証 | ショピング保険、盗難保証 | 盗難保証 |
ポイント還元(楽天ポイント) | 1%(100円につき1ポイント) | 1%(100円につき1ポイント) | 1%(100円につき1ポイント) |
年会費 | 5,500円 | 2,200円 | 無料 |
デビットカード(JCB) | デビットカード(Mastercard) | デビットカード(Visa) | |
Apple Pay対応 | ー(記載なし) | ー(記載なし) | ー(記載なし) |
旅行保険等 | 盗難保証 | 盗難保証 | 盗難保証 |
ポイント還元(楽天ポイント) | 1%(100円につき1ポイント) | 1%(100円につき1ポイント) | 1%(100円につき1ポイント) |
年会費 | 無料 | 無料 | 無料 |
この記事では、「退職後にクレジットカードが作りにくくなる」という不安に対して、「デビットカード」という選択肢を提案しました。
また、私のおすすめするデビットカードを2つ紹介しました。
クレジットカードの審査が不安な場合は、デビットカードという選択肢はありだと考えています。