早期退職の場合、失業保険の確定申告が不要でも申告しないと損するケースもある
失業保険の基本手当を受給している場合に確定申告が必要かどうか気になっている方もいると思います。結論から言えば、基本手当は課税対象にならないので申告する必要はありません。
ここでは、失業保険が課税対象ではない理由と、確定申告をしたほうが良い場合について解説します。
失業保険の基本手当とは
- 失業保険の基本手当とは何か?
- 誰が失業保険の基本手当を受ける権利を持つのか?
- 基本手当の支給期間や金額についての基本情報
失業保険は課税対象ではない
結論から言えば、失業中に給付される失業保険の基本手当(失業手当)は、所得税の課税対象ではありません。
その根拠は、雇用保険法です。
雇用保険法の第12条には以下のように書かれています。
租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない。
租税その他の公課とは、「国に納める税金(租税)と、公共団体へ納める会費や罰金など」のことです。具体的には、「所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税、酒税、たばこ税、自動車重量税、住民税、事業税、固定資産税、地方消費税、自動車税」などがこれにあたります。
以上のように、失業保険の給付は「所得税・住民税の対象ではない」ため、確定申告で申告する必要はありません。
失業中の確定申告
確定申告をした方が良いケース
雇用保険の基本手当は確定申告する必要はありませんが、退職して失業中の場合、確定申告をした方が良い場合があります。
以下のような場合は、確定申告することで還付されることがあります
- 年度途中で退職し、再就職していない場合
- 再就職した場合でも、失業期間中の社会保険料の支払いがある場合
言い換えれば、「年度途中で退職」して「年末調整を受けていない」場合は確定申告を行なった方がよいです。
確定申告に必要な書類
確定申告を行う場合、以下の書類を準備しておきます。
- 源泉徴収票
退職時に受け取った源泉徴収票です。貰っていない場合は、勤めていた会社に請求する必要があります - 生命保険等の控除証明書など
健康保険を任意継続または国民健康保険に加入している場合には「保険料納付証明書」により控除できます。私は任意継続していますが、私の加入している健康保険では申告する年の1月くらいに届くみたいです
生命保険や地震保険に加入している場合には控除証明書により控除できます - 国民年金保険の控除証明書
e-Taxで利用できる電子データは、設定を行えばマイナポータルで受け取ることもできます。e-Taxで確定申告するのであれば、自動反映も可能になりますので設定しておいて損はありません
e-Taxでの申請がおすすめ
申請期間は原則として、退職した翌年の2月16日から3月15日です。
確定申告にはe-Taxがおすすめです。先ほど書いたように、マイナポータルで国民年金保険との連携もありますし、必要項目を入力するたけで自動計算してくれます。印刷して郵送するより手間もかかりません。
e-Taxを使った確定申告のやり方については、国税庁のサイトで丁寧に解説されています。以前に比べるとヘルプもわかりやすく、充実していますので、参考にするとよいと思います。
ちなみに、中途退職で年末調整をうけていないときのQ&Aもちゃんと用意されています。
国税庁のタックスアンサーで「中途退職で年末調整を受けていないとき」で検索してみてください。
リンク:国税庁の「税について調べる」ページ
最近は、チャットボットも用意されているようで、以前に比べて国税庁での検索が楽になりました。
まとめ
失業保険の基本手当は確定申告不要です。ただし、年度の途中で退職し年末調整が行われていない場合は、各種控除などを申請することで還付金があるケースもあります(多くのケースで、還付があると思います)。
税金を払いすぎないように、退職した翌年は確定申告を行いましょう。