下位モデルエアコンの消費電力は10年前の上位モデルを逆転できない
エアコンは10年ほどで買い替えることが多いと思います。私も約12年で買い替えを行いました。今回は、機能が少ない下位モデルのエアコンを購入しましたので、10年前のモデルと電気代を比較してみました。その結果、意外なことがわかりました。
はじめに
エアコンの買い替え
夏が終わったらエアコンを買い換えようと思っていましたので、9月に入ってエアコンの買い替えを行いました。
前回、ダイキンの最上位モデルを購入したのですが、機能が多いためか不具合が多かったので今回は機能が少ない下位モデルを購入することにしました。
今回購入したのは、三菱電機のエアコンになります。理由は「分解がしやすかったから」です。
上位モデルはお掃除ロボットがついていますが、リビングダイニングの場合は油汚れが付着するためあまり役に立たず、結局フィルタ掃除を行う必要がありました。また、数年でお掃除ロボットの機構が不調になり、結局使い物にならないことがわかりました。
今回は、「お掃除ロボットなし」を探したのですが、部屋の大きさに合わせて18畳以上で探すと、各社一番下位のグレードでもお掃除ロボットがついたモデルしかなかったので、お掃除ロボットがついたモデルになりました。
量販店の担当者に気になることを言われた
上位モデルと下のモデルでは、機能だけでなく消費電力も実は違います。
10年以上前からの買い替えなので、上位→下位モデルに買い替えても「10年前のモデルからの買い替えなら電気代は変わらないだろう」と漠然と思っていましたが、店員さんに「10年前のモデルでも下位モデルに買い換えると若干電気代が高くなるかもしれません」と言われました。
「10年前の上位モデルより、最新の廉価モデルの方が電気代が高い」というのが本当なのか少し調べてみました。
エアコンの消費電力
最新モデルの上位と廉価モデルで比較
今回、三菱電機のエアコンを購入したので三菱電機のモデルで比較してみました。とりあえず、ハイエンドはMSZ-ZW6325S(20畳用)、廉価モデルはMSZ-R6324S(20畳用)です。
ハイエンドにFZシリーズもありますが、10年前の機種と比較しやすいように、10年前も存在したZシリーズをハイエンドにしました。
それぞれの省エネ情報を抜粋すると以下のようになります。
期間消費電力量 1,953KWh
省エネ基準達成率 100%
通年エネルギー消費効率 6.1
期間消費電力量 2,383KWh
省エネ基準達成率 81%
通年エネルギー消費効率 5.0
期間消費電力とは「年間で冷房と暖房の期間を決めて、外気温ごとの消費電力を合算したもの」で、年間の電気代の目安となる数値です。
これをみると、上位モデルと廉価モデルでかなり異なることがわかります。計算するとRシリーズは、上位モデルの約1.22倍の電力消費となります。
できれば、多機能でない低消費電力モデルを出して欲しいですが、ニーズがないんですかね
ここからわかるように、上位モデルと下位モデルではかなり消費電力が違うことがわかります。
10年前のモデルと比較してみる
我が家はダイキンから買い替えたのですが、10年前のモデルとの消費電力を比較しやすいように同じ三菱電機のMSZ-ZW635Sを調べてみました。
期間消費電力量 1,953KWh /2013 , 2104KWh /2005
省エネ基準達成率 100%
通年エネルギー消費効率 6.1
当時は、2005年の算出方法と、2013年以降の算出方法の2つが併記されていたようです。スペックをみると、驚いたことに2024年のモデルと期間消費電力量は全く同じです。
現行の最上位モデル(FZシリーズ)をみると若干消費電力が低下していますが、それでも6%程度の省電力化です。
期間消費電力量 1,833KWh
省エネ基準達成率 106%
通年エネルギー消費効率 6.5
エアコンは、「ここ10年で思ったより省電力化が進んでいない」みたいです。
10年前の上位モデルと廉価モデルの消費電力
結論から言えば、10年前の上位モデルから最新の廉価モデルに買い換えると、販売店のいうように「電気代が上がる」ことになります。営業トークでもなんでもなく、事実でした。
ただ、性能表記は新品の性能で、コンプレッサーの性能などは徐々に低下するはずです。
ChatGPTに聞いてみると以下の回答がありました。
エアコンのコンプレッサーの性能劣化は、使用状況やメンテナンスの頻度、環境条件によって異なりますが、一般的には毎年1~3%程度の効率低下が見られることがあります。これは、機械的な摩耗、冷媒漏れ、またはシステム内の汚れの蓄積が原因で、時間とともに劣化が進むためです。
ですから、「カタログスペックではかなり電気代は高くなるけど、10年間の劣化を含めて考えるとそこまで変わらないのでは?」と思っていたりします。
とはいえ、消費電力よりも、電気代が上がり続けている方がインパクトがありますが。
データをみるとエアコンの消費電力は過去10年間であまり下がっていないみたいです。他の家電では、テレビは約32%、冷蔵庫は約43%消費電力が低下している(リンク)のに比べて、たったの6%です。
まとめ
10年前の最上位モデルと、最新の廉価版モデルのエアコンの電気代について調べてみました。実は、エアコンの省電力化はそれほど進んでおらず、カタログ上は10年前の上位モデルの方が電気代は安くなるという結果でした。参考になれば幸いです。