【NISA】一部を売却した場合の非課税保有限度額の復活額は?
NISA口座で何度も繰り返して購入した場合に、株や投資信託の売却時の取得価額はどうやって計算するのでしょうか?また、売却した場合に非課税保有限度額はいくら復活するのでしょうか。この記事では、これらについて調べた結果について紹介します。
- 複数回に分けて購入した場合の、株や投資信託の所得単価ってどうやって計算するの?
- 新NISAは売却後に非課税保有限度額の復活額は?
新NISAは売却後に非課税保有限度額が復活
新NISAでは非課税投資枠が1,800万円と大幅に拡大しました。また、非課税保有期間は無期限になり、非課税枠は売却することで翌年復活するようになりました。
ここで、疑問が湧いてきました。
「復活する額はいくら?」
ということです。少し調べましたがなかなか「これ」という回答が見つからない。
取得単価の考え方は旧NISAや特定口座と同じだと思いますので、これを前提に解説したいと思います。
実際に非課税枠が気になりだすのは、毎年360万円をNISA口座に入れて最短で5年なので、現状来にすることではないですが。
購入価格は簿価(=取得金額)残高方式
特定口座やNISA口座の場合、購入価格は加重平均取得単価となります。
数式で表すと以下になります
$i$回目の取得単価が$V_i$円、数量$n_i$の場合(合計$N$回)の平均取得単価
$$
平均取得単価=\frac{\sum_{i=1}^{N}V_i \cdot n_i}{\sum_{i=1}^{N}n_i}
$$
数式ではわかりにくい方もいるかもしれませんが、要は「所得単価×数量を合計して全体の数量で割った額」が平均取得単価となります。
1回目 1000円 10株
2回目 1050円 5株
3回目 1200円 10株
の場合の平均取得単価は、以下の計算で求めることができ、1090円になります
$$
\frac{1000\times 10 + 1050\times 5 + 1200\times 10}{10+5+10} = 1090
$$
新NISAで一部売却した場合の計算は?
同一銘柄を何度も購入した場合の例
同一銘柄(全世界株式(オール・カントリー)など)の投資信託を以下のように購入
- 21,300円で10万口
- 20,900円で50万口
- 20,800円で20万口
このうち半分を売却した場合に復活する非課税保有限度額は?
この場合の平均取得単価は、
$$
\frac{21,300円\times 10万口 + 20,900円\times 50万口 + 20,800円\times 20万口}{10万口+50万口+20万口} = 20,925円$$
となります。
半分は40万口((10万+50万+20万)÷2)なので、金額は20,925円×40=837,000円となります。
つまり、半分を売却した場合は、837,000円分の非課税保有限度額が復活することになります。
売却した非課税枠は「翌年」復活します
まとめ
以上、複数回同一銘柄を購入した場合の平均取得単価の計算方法について解説しました。
私自信は売却することは「取り崩す時期まで」ないと思っているので非課税保有限度額の復活についてそれほど意識していませんでしたが、話題にでたので記事にしてみました。